もの思う日々と愛すべき色々

好きなものとそうでないもの、記録のようなもの。

好きなモノをすすめる:おもたせ暦

本のこと。

おすすめしたい本がいろいろあります・・・というところからの一冊。

初心にかえるよ。原点というものに。
と大袈裟にに言うなわたくし。

 

これ・・・・。
この本が、私がエッセイというものを意識し手読み始めるきっかけの一つになった。
(あと池波正太郎さんのエッセイも同じ頃に読み始めたと思います)

著者、平松洋子さんはフードジャーナリスト、エッセイストで・・・とにかく熱くて濃いエッセイを書かれる印象。語彙力があって、非常にパワフル。
エッセイは多く出版されていて、扱う内容が食や食べ物、台所道具なので、わかりやすい・・・

おもたせ暦」はおいしいものを持って行く話。
贈り物をする、手土産を持って行く、食べ物を贈る・・・。
食べ物、「きえもの」を贈るということのストーリー。

手土産でなくおもたせ
私はこのエッセイを読んで、贈ることのストーリーに魅せられたんですねぇ。

ぼんやりうっすらしていた、自分の「誰かに何かを贈りたい気持ち」とか「好きな人のことを思い浮かべて選ぶ気持ち」とか「ちょっとひねった手土産選び」なんてものに形を与えてくれた本。

最初の、たぶん「はじめに」にあたるところにある文章を引用してみます。

それにしても、と思う。かたちのない気持ちをかたちあるものに託して伝えようとする、人の心持ちのなんとやわらかいことか。会えば顔が見えるし、いくらでも言葉をかわすことができるのに、なにか手に携えたい。あれにしようか、これがよいかしら。相手の顔や暮らしぶりを思い浮かべながら懸命に好みをはかる。

 

以前にサービス接遇検定なんかうけちゃおうかなと考えて問題集を開いたり閉じたりしてみたけれど。
サービスや接遇、秘書検定を受けるに至ったいろいろな思いのスタートは、自分の中のおぼろげなものが形を作り始めたのは、この本を読んだときからだと思い出した。

相手の好みをはかる、想像する、絶妙な距離でそこへいく。
そういうことが書いてあります。

おもたせとおなじ、好きな言葉がある。それが、おすそわけ。
 いただいたものを、どなたかにいくばくか分けて差し上げる。こんなおいしいものをいただきました。独り占めするのはもったいなくて、ぜひいっしょに味わっていただきたいと思って。「いっしょにたのしんでくださいな」というところが、おもたせもおすそわけも同じ目線である。

そんな気持ちに、私もなります! 時々、わりにひんぱんに。

なんで初心にかえって、この本を皆様にお勧めします。

私はこの本が好きなの。
だから皆様におすすめして、もしかして一緒に読もうと思ってもらえたらそれはそれはうれしい。
いっしょにたのしめたらうれしい。

ほんとうにうれしい、です。